キミと手をつなぎたい−WALL・E/ウォーリー−

【彼女はデンジャラス】
 右腕は高エネルギービーム砲。怪しい奴には即発砲!
 
【彼女はオールマイティ】
 賢い彼女は、初めて見たルービックキューブを一瞬で揃えてしまう。

【彼女はハイスピード】
 舞うように飛び、音速だって越えちゃうよ!

 そんな彼女に出会ったら、そりゃ、恋くらいしちゃうよね!

 というわけで、予告にキュンときた映画、WALL・E/ウォーリー」を見てきました。というかロボットです。ひとりぼっちのロボットです。オンボロロボットのウォーリーが、ボーイミーツガールする、って自分でも何言ってるか分かりませんが、これは見なきゃなんですよ。SF者として。いやロボット好きとして!

 で、素晴らしかったです。

 何処までも荒れ地と廃墟とゴミだらけ、地球オワタ状態の舞台設計から、対称的な二人のロボットのデザインやギミックの面白さ(イブの「指」が最高!)、なにより、言葉も表情もなく伝わってくる二人の心がね、「カーズ」で自動車に表情つけてバリバリ喋らせた同じピクサーとは思えない。

 いい映画を見せてもらいました。今年はこれが一番かもしれない。

| | Comments (193) | TrackBack (0)

女性らしいロボット「FT」

 まずはこれを見てください。たまごまごごはんさんの「ロボットとの恋愛感情って、本当にありうるの?」で見つけた「女性っぽく動くロボット」の映像です。

「あら、まさか?」と思ってググったら、やっぱりでした。ロボガレージさんのデザインだったんですね。あの「ひと味違うオーラを放つロボット」、マノイくんやネオンくんを造ったところです。
 なんつうか、方向性がユニークだと思うんですよね。ハイテク使って本物(この場合は女性)に近づけるのではなく、それらしく見せるほうに注力する。写真と似顔絵の違いというか。
 人を模すロボットとしては、例えばリアルにリアルに作り込む、アクロイドのような方向性もあって、これはこれで大切な気がするんですが、一方でこの<FT>のようなアプローチも大事じゃないかなと。というか個人的には<FT>のほうが断然カワイイですね。

| | Comments (3) | TrackBack (0)

コッペリア

 プリンセス・チュチュにはまって、バレエ関係のサイトをあさりまくっていた頃がありまして。
 ぶちあたったのが、これ。

 コッペリア

 あらすじはこんなかんじ。

 ある村に、偏屈な老人コッペリウスが住んでいます。
 老人の家にはなぜか、コッペリアという美少女が同居しています。

 村の若いもんはみんな、正体不明で美しいコッペリアに興味津々です。
 ヒロインの彼氏までコッペリアに気がある風で、ヒロイン、気が気じゃありません。

 ある夜、村の若いもんは集団で、老人の留守宅に不法侵入します。
 お目当てはもちろん、コッペリア。
 ところがコッペリアは、実は人間ではなく、機械仕掛けの人形だったのです。

 このあと、老人が帰ってきたり、逃げ遅れたヒロインがコッペリアのふりをしたり、いろいろあるわけですが、その辺は置いておいて。

 へぇ、バレエにもロボットのお話があるんだ、というのが、まあ、第一印象。

 造り主コッペリウスの描かれ方は、まさしくマッドサイエンティストのそれだ。

 人造美人というモチーフも、SFの世界では、古典にして定番だ。
 コッペリアは、メトロポリスのマリアや、AIが止まらないのサーティや、ワッハマンのゲルダや、星新一のボッコちゃんとお仲間、というか、ご先祖なのだ。

 この系譜をもっと遡ると、ギリシャ神話のピグマリオン伝説にまでいくわけで、人造美人を造る=理想の女性を造る=理想の恋人を造る=恋人が欲しいよう、てな構図が、見えてきたりもする。
 バレエ「コッペリア」では、そこまでコッペリウスに感情移入しないのがスタンダードのようだが。
(そうでないケースもあるらしい。ここで紹介されてる演出の方が、僕的にはツボ。実際のバレエを見ないであれこれ言うのはダメダメかもしれないが、確かに、日本人演出家らしい、日本人好みのアレンジかもしれない。「日本人はコッペリウス博士みたいな変人を物凄く愛してますからねえ。御茶ノ水博士がええもんの国ですから。」 うんうん、なるほど。)

 というわけで、SF航海日誌では、「コッペリア」を「列伝・ロボット」に加えるものとします。

| | Comments (2) | TrackBack (1)

あれ、このロボットどこかで?−ネオンからマノイへ−

 アミューズメントロボットの開発が盛んな時代。
 また、ひとつのロボットが売りに出された。

 親しみやすいデザインのヒューマノイドロボット「マノイ」を発売

 このロボット、どこかで見た事がある。
 そうか、これってネオンくんじゃないか?
 ひょっとして、作った人が同じ?

 ネオンくんに初めて出会ったのはROBODEX。
 いろんなロボットが展示される中で、ネオンくんは一際異彩を放っていた。
 見ていただければ分かると思うが、ネオンくんのデザイン、放っているオーラがこう、他とは違うのである。
 ぶっちゃけ、アニメ、それもリアルアニメになる前のアニメっぽい。
(実際、アニメの影響は大きいらしい。名前のネオンも、鉄腕アトムのウランやコバルトにちなんで名付けたという。)
 AIBOやASHIMOにない、妙な愛らしさがある。

 残念ながら、ROBODEXでは動いているネオン君を見る事はかなわなかった。
 なにせ、ずーっと調整中だったのだ。
 企業や研究施設のブースが並ぶ中、「ひょっとして個人運営?」な手作り感覚あふれるブースだったが、だとしたらデザインがユニークなのも、安定性が低いのも納得がいく。
 あのとき解説してくれたおにいさんが、ネオンくんをつくったんだろうか?

 実は、ネオンくんのその後を気にしていたので、こんな形でネオンの後継が見れたのは、うれしい。

| | Comments (14) | TrackBack (2)

村工場のロボット その後

 あのLAND WALKERの記事がネットに載っていたので、ご紹介。

 搭乗できる巨大ロボット「LAND WALKER」が生まれるまで

 保存版?:「LAND WALKER」完全搭乗マニュアル

| | Comments (32) | TrackBack (0)

ロボ1台3600万

 乗って操縦できる2足歩行ロボ、1台3600万で販売。方々で話題になってますね。

 記事によれば、「ガンダムに登場するロボット」そっくりつうけど、いったいどれのことだろ。
 今はもう、ガンダムと名のつく番組が山ほどあるので断言はできないが、それらしいのは見た記憶が無い。
 どちらかといえば、機動戦士ガンダムのモビルスーツというより戦闘メカ・ザブングルのウォーカーマシンぽい。もしくは、超時空要塞マクロスの敵メカ、グラージュか? にしては、膝が逆関節じゃないんだよなあ。
 って、オタク度低い人にはさっぱりわかんないですね。すんません。

 色々言われていることのなかに「今更この程度?」というのがある。
 確かにこのレベルだと、技術的にはもう、たいしたことないのかもしれない。
 歩行も今時「すり足」とか書かれているし、もっと技術力の高いロボットはいくらもある

 でも、このロボットの魅力は他にあると思う。
 なんつうか、こんなものマジ造る会社が存在するんだ、スゲー!てな見方のほうが、的を射てるんじゃなかろうか。

 製造元の榊原機械(株)は、ホームページの会社概要に資本金も従業員数も書いていないような小さな町工場(正確には村工場)だ。
 中小企業や個人が、曲がりなりにも歩けるロボットを造れる時代になった。

 やっぱり、凄いんだよこれ。

 ゴムボールの機銃をつけたのは、はなから実用を考えていないからだろうか。
「ガソリン満タンで半日動く」とか「3600万円」とか、微妙な現実味が楽しい。 

| | Comments (52) | TrackBack (1)

血管を紡ぎ、神経を紡ぎ..カレル=チャペックの「ロボット」


 神経を紡ぐ工場。
 血管の紡績工場。
 一度に何キロメートルもの消化管が流れる紡績工場です。
 それからそれらの部品を、そう、自動車を組み立てるように組み立てる、組み立て工場。

SFの中でも古典中の古典、カレル=チャペックロボット(もしくは、R.U.R.)読了。
 古典中の古典SFであり、この戯曲で初めてロボットという単語が使われた、というのは、皆さんご承知のとおり。

 以前告白したとおり、初めてこの作品の紹介を読んだときは、

「被創造物が創造主に反旗を翻すというプロットは、ごく陳腐に思えた。」
「世の中には、たまたま歴史に名を残してしまうひとがいる。彼(チャペック)もそんな一人だろう。」

なんて風に思った訳だが、実際読んでみると、予想通り(?)、見事に打ち砕かれました。

 確かに素晴らしい。古典の名に恥じない傑作だ。

 人物造形や唐突な展開など、難点が無い訳でもないが(ロマンス部分がかったるいとかね)、そんな些細な欠点を補ってあまりある、チャペック式ロボットの存在感。

「その水みたいなもので、望むものをなんでも作れるのです。例えば、ソクラテスの頭脳を持ったくらげとか、50メートルもあるミミズとかです。」

「最初人造犬を作ろうとしました。これは数年かかりましたが、できたのは出来そこないの子牛のようなもので、数日で死んでしまいました。」

「人間の組織的構造を一目見て取るや否や、これはあまりにも複雑だ、よい技師ならもっと簡単に作れると分かったのです。」

「労働のために直接役に立たないものはすべて捨ててしまいました。」

 ここまでで、ほんの序幕に過ぎないのだから、恐れ入る。

 もともとが舞台脚本だそうだが、映画化してもおもしろいかも。

| | Comments (26) | TrackBack (0)

アイアンジャイアント

 ピクサーの新作CGアニメ映画Mr.インクレディブルの監督は、アイアンジャイアントの人らしい。

 え、あのアイアンジャイアント


 空から落ちてきた、おっきなロボット。

 ロボットを見つけた少年。

 そして、政府と軍隊。


 よく言えば王道、悪く言えば陳腐。
 だからどうした! アイアンジャイアントは大傑作である。

 登場人物のキャラクターがいい。
 とりわけ、子供のように純真な、ロボットの性格づけがいい。
 無骨なロボットでありながら、くるくると表情の変わる造形の妙。
 とりわけ、複数のシャッターでまぶたを表現した目のデザインがいい。
 怯え、不安、悲しみ、喜び。シャッターの開きと傾きから、僕たちはロボットの心を知る。
 そして最後、ロボットが好きになる。

 この映画、地味な上に低予算で宣伝もあまりされず、知る人ぞ知る、な、作品だったらしい。
 でも、この映画を好きになったいろんな人(例えばあさりよしとお)がプッシュにプッシュを重ねて、日本でも上映された、という経緯がある。

 重ねて言っちゃおう。アイアンジャイアントは大傑作なのだ。

| | Comments (6) | TrackBack (3)

われはロボットくん−米田仁士の黒歴史−

 われはロボットといえば、誰もが知ってるロボットSF小説の礎だが、われはロボットくんという、4コママンガを知っている人は、残念ながら、あまり多くないかもしれない。

 どう見ても高性能に見えないロボットくんが、どう見ても有能に見えない研究所助手のマツオくんと一緒に、マンザイのような、コントのようなエピソードを繰りかえすという、まあ、ばかばかしいお話である。

 たとえば、こんな感じ。

(タイムマシンで未来に行く一行)

博士「うーむどうやら未来では、ロボットが人間を支配しているようだな」

(ロボットが人間を鞭打っている)

マツオくん「おっ、オレたちゃともだちだよなーっ」

ロボットくん「(にやにやしながら)誰ですか? あなた」

博士「だがすぐに宇宙人によって滅ぼされるな」

(UFOが地表を攻撃している)

 うーむ、オリジナルのばかばかしさを、どれだけ伝えられているだろうか。

 ロボットくん、マツオくんのほかにも、前出の、化学薬品を味見で解析し、ノーベル賞の証書をメモ用紙にしてしまう博士や、博士を一方的にライバル視するが報われない薄幸のマッドサイエンティスト、そのスパイDrスエミなどが登場する。唯一まともに見える美人の芦原さんも、「実は博士に片思い」という点で、やっぱりまともじゃなかったりする。そんな連中が、何か研究してるのは間違いないが、何を研究してるのかさっぱりわからない研究所で、とにかく研究みたいなことをやっていたり、やってなかったりする。そんな4コママンガだったのだ。

 でもって、作者は、あの米田仁士

 米田仁士といえば、いまでこそファンタジー、SFの分野で確固たる地位を築いたイラストレーターだが、こんな作品を描いていた時代もあったのだ。

 本人やファンにはもうしわけないが、個人的には「ギャグマンガ家・米田仁士」を、多いに惜しんでいる。
 もし僕に歴史改変能力があれば、米田氏のイラストレーターとしての未来を全部つぶしたい。そして、延々「われはロボットくん」を描き続けてほしかった。我ながらひどい考えだと思うが、そんなことを思ったりも、する。

 余談。

 そいえば、昔のアニメ「未来警察ウラシマン」でも、「愛、ロボットに愛!」というエピソードがあったな。こちらは「I,ROBOT」のもじりか。

| | Comments (31) | TrackBack (0)

アイ、ロボット−きみにあいたかった−

 先行ロードショーで、みてきました、アイ、ロボット

 いや、めちゃよかった!

 そもそも、この映画はずっと前から、気になっていたのだ。
 アシモフ+プロヤスという、「どっちも好きだけどこの組み合わせってどうよ?」な感覚。
 ロボット3原則+ハリウッドアクション映画という、「なんかこう、梅干とうなぎの食べ合わせみたいな?」予感。

 淡い期待に、どす暗い不安がどっぷり混ざった状況で、映画館の席に座ってた。

 でもね、でもね!

 いい感じの近未来描写と、生活の中にしっくりとけこんだロボットたち。
 人間離れした身体能力を持つNS−5。と、その群れ。
 ロジカルだけどピュアなハートを持つ、サニーくん。

 いいじゃないかっ!

 で、ちょっとネタバレ。

 コアとなるアイデア、「ロボット3原則があるのに、どうして**できてしまうのか」は、スレたSFファンにはおなじみのネタ。そのへんを期待してたひとには、ちょっと肩すかしかもしれない。
 CMの「ルールは破られた」は半分ウソ。ただ1体のロボットを除いて、ルール(3原則)は守られている。そのへん、かなりきちんと考えられた脚本(だと思う)けど、映画ではちょっとわかりにくかったのが残念。
 主人公の刑事がロボットに助けられたエピソードなんて、その伏線だと思うんだけど。ひょっとして、ノベライズではその辺補完されてるかな。チェックチェック!
 で、ロボット3原則を破る唯一のロボットが造られた理由が...ううう、泣けてくる! ここが一番、アイデアとしてはSFしてるのかもしれない。やっぱいいわ。この映画、名作決定!

 以上、ネタバレ終わり。

 とにもかくにも、よくできたアクション映画であり、おそらく、今年一番のSF映画。ちょっと不遇だったプロヤス監督、これからももっともっと、面白い映画を撮ってくださいね。

 そしてなにより、この映画に出てきたようなロボットたちに、まだ造られていないサニーくんに、現実の世界で早く会いたい。
「はじめまして。こんにちわ。きみにあいたかった。」
 そう、生きているうちに言いたい。

| | Comments (6) | TrackBack (1)