フェルミのパラドックス−宇宙人はどこにいる?−
宇宙人がいたとしたら、宇宙はすぐに宇宙人でいっぱいになるはずだ。
なのに、宇宙人が見当たらないのは何故?、という、パラドックス。
例えば、宇宙人がいるとする。
それなりに科学が進歩して、近くの星に植民したとする。
ワープとか超光速とか、そんなものはこの世には存在しないとしよう。
それでも1000年もあれば、隣の恒星系まで行って、母星と同じくらいの文明を築けるとしよう。
近傍の恒星までだいたい10光年程度。光速の数%も出せれば、なんとかできる現実的な数字だ。
1000年経ったら、母星と、移民した先の星から、また近くの星に移民を始める。
もう1000年経ったら、また同じことをする。繰り返し繰り返し移民、移民、移民..。
すると、4万年も経たないうちに、銀河系2000億個の恒星から空家はひとつもなくなってしまう。
実際には、もう少し時間がかかる。
移民も終盤になると、近くに空家が無くなってしまうからだ。
そもそも、直径10万光年の銀河系が4万年も経たないうちにいっぱいになることは無い。
それでも1000万年もかからずに、移民は終ってしまうだろう。
人類よりたった1000万年早く進化した宇宙人がいれば、すでに太陽系は植民されているはずだ。
というのが、フェルミのパラドックスの趣旨だ。
1000万年というと長い年月のような気がするが、宇宙の年齢からすれば、ほんの一月のはや生まれ。そんな宇宙人が生まれ、ただの1種族でいいから、宇宙に漕ぎ出そうとするだけでいい。
提唱者のエンリコ=フェルミは、ノーベル賞を受賞した核物理学者。
原子炉や原子爆弾開発黎明期の、いわゆる「天才がゴロゴロいた世界」の中心人物。
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