光の巨人

 ウルトラマンを生み出したことを、日本は誇っていいと思う。

 宇宙人のヒーロー、というのは、別にウルトラマンが初めてではないし、日本の専売特許でもない。
 なにしろあの超有名超人、スーパーマンがいるではないか。

 しかし、スーパーマンが生んだ無数の亜流とは、ウルトラマンは一線を画す。

 まず、そのデザイン。
 人間のシルエットをもちながら、ぎりぎりまでそぎ落とされた人間らしさ。
 にもかかわらず決してグロテスクではなく、美しく、優しさと力強さに満ちている。
 全身タイツにマントを羽織っただけで、外見はもろ人間のスーパーマンとは、えらい違いだ。

 そしてその神秘性。
 アントラーの話に登場する、かつて地球人を導いたと言う伝説。
 2万歳という年齢。
 基本的には無口。第一話と最終回だけで見せる、朴訥としたしゃべり方。
 ハヤタと命を共有したり、「命を二つ持ってきた」などというトンデモナイ奇跡。

 ウルトラマンを生んだ発想は、ある意味、とても日本人らしいと思う。
 初代ゴジラも、根っこのところは同じ発想がある。

(2004/05/20追記)

 ここでのウルトラマンとは、いわゆる「初代」ウルトラマンを指している。

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セクシー宇宙人

 SFの中でセクシーな宇宙人といえば、やはり「シャンブロウ」にとどめを刺すのだろう。
 同名の短編たったひとつで、CLムーア女史の名前を不動のものにしたシャンブロウ。
 人間の女性のようで明らかに違うその独特のキャラクターは、恐ろしくも艶かしいものだった。
 SF作家ファンを含め、今でも多数のファンを持ち、伝説となっているのも、わかるような気がする。

 さて、シャンブロウを除くと、セクシーな、という条件を満たす宇宙人は、ちょっと限られてくる。

 フィリップ・ホセ・ファーマーの「恋人たち」に登場する「人間の男性に依存することで生きていく寄生生物」、「ラリサ」は、魅力的ではあるけれど、どちらかというとかわいい、けなげな、という印象が先に立つ。(登場するジャネットがそうだったからかもしれないが)。

 Cウィルソンの「スペースバンパイア」は映画しか見ていないのだけれど、セクシーというよりごっつどん欲な印象が先に立つ。がつがつ男を引っ張り込んで、精神エネルギーをむさぼり食う、というか。
 基本的なコンセプトはシャンブロウと変わらないのに、このノリの違いは何か。おっぱい出してればいいというものではない。
 
「ウルトラセブン」に登場するピット星人は歳若い女性の姿に化けている。ウルトラセブンこと諸星ダンを油断させたり、「今度は大丈夫よ。地球の男が可愛い女の子に弱いことがわかったから」などと豪語したりしているが、さほどセクシーだった記憶は無い。小悪魔系か。

 ひとつ、人間の考えを読んで化けることができる巨大ナメクジが出てくるSFがあったと思うのだけれど、タイトル作者が思い出せない。惑星に置き去りにされた主人公の思考を読んで、女性の姿になる、というお話。これもセクシーというより、けなげ系ですな。似たような存在に「火の鳥」のムーピーがいる。

 まったくの人間型、亜人間型の宇宙人なら、もちっと探すこともできそうだが、今回は置いておこう。

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メトロン星人

 ああ、かっこいい!!

 物心つく頃から、僕はそう思っていたらしい。
 僕はウルトラセブンをリアルタイムで見ていない。だから、こいつを初めて見たのは、小学館の怪獣図鑑かなんかだろう。だから、好きになったのは純粋に、外見だけだったはずだ。

 このデザインはピカイチだ。

 なぜ、と聞かれると困るが、いちばん、生き物らしさを感じなかったから、かもしれない。
 筒状の両手。あの首のない、独特の形をした頭。青と赤と黄色の、どぎつくもシンプルなカラーリング。
 およそ知る限り、こいつ以上にカッコイイ宇宙人を、僕は知らない。
 強いて匹敵するヤツをあげるなら、ウルトラマン、もしくはゼットンか(でもゼットンは宇宙恐竜だ)、アメリカのテレビ版火星年代記(ブラッドベリ原作の奴ね)に登場する、仮面をかぶった火星人くらいか。
(後で思い出すかもしれないけれど、これくらいにしとこう(笑))。

 そんなわけで、こいつがどんな悪事を働いたのか(ウルトラセブンですから、宇宙人は当然悪事を働く訳です)、長らく知らなかった。
 タバコに薬物を仕込み、人を狂わせると知ったのは、だいぶ後のこと。かの有名な、ちゃぶ台にあぐらをかくシーンはバラエティ番組でも取り上げられたが(トリビアにも出たし、食玩のフィギアにもなった)、彼は決して、おちゃらけ宇宙人ではない。

 クールでクレバーでミステリアス。それがメトロン星人なのだ。

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ペガッサ星人

 やっぱり、ペガッサ星人の話がしたい。

 ペガッサ星人は、ウルトラセブンに登場する。
 彼は、いいやつだ。

 ペガッサ星人は、地球人に悪意を持ってない。
 地球を侵略したりしない。
 ただ、地球を破壊しようとするだけ。
 さもないと、彼の故郷「ペガッサ市」は地球にぶつかり、地球とともに滅んでしまう。

 物語のほとんどは、ペガッサ星人との会話に終始する。
 会話の中で、ペガッサ星人が風変わりではあるものの、いい奴だということがわかる。 
 彼の気持ちも、痛いほどわかる。僕が彼なら、やはり、同じことをするかもしれない。
 でも、彼を受け入れることはできない。

 彼の地球破壊計画は、ウルトラセブンに阻止される。
 彼の故郷は、地球人によって破壊される。
 彼は今も、地球の闇の中を走り続けている。

 もしも宇宙人に出会うとしたら、ペガッサ星人のような宇宙人に会いたい。
 でも、ペガッサ星人の物語は、決して繰り返したくない。

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アダム/無人惑星サヴァイヴ

 無人惑星サヴァイヴに、新しい仲間が加わった。
 彼の名はアダム。
 500年以上もコールドスリープで眠っていた、異星人の男の子(?)だ。

 アダムは異星人だが、人間そっくりだ。

 まず、体型がよく似ている。
 四肢があり頭があり胴体がある。
 その配置も大きさもバランスも、人間と変わりない。

 人間が相手を認識するときにいちばん注目するのは顔だ。
 顔のデザインも、、基本的にはまったく同じ。
 目があって口があって鼻があって。配置も同じだ。

 なにより、コミニケーション手段である表情が同じらしい、というのは、すごい。
 アダムの喜んだり困ったり怖がったりする表情は人間にも理解できる..というかかなり表情豊かだ。
 また、ルナの笑いかけた表情を理解したようにも見える。

 余談だが、生物学の専門家でないメノリが裸を見て「男の子のようだな」とコメントしてるから、あの部分のデザインも同じなんだろう。

 明確な違いといえば、額に生えた角状のもの(髪型?)と、肌の色くらいか。

「人間そっくりな異星人に関する科学とSFによる考察」なんてできそうだけど、それは別の機会に。

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ペロリンガ星人

 宇宙人について書きたい、と思ってたら、収拾つかなくなってしまった。
 書きたいことありすぎ。というわけで、とりあえず、ペロリンガ星人について。

 ペロリンガ星人といえば、かの名作SF「ウルトラセブン」の中でも、ひときわ印象深い宇宙人だ。
 一応、地球侵略とかやってるんだけど、そんなことはどうでもよくて。
 あの、サイケ宇宙人という名前そのままの、極彩色メラメラデザインのすごさも、とりあえず置いておいて。

 ペロリンガ星人は、人をいざなうのだ。

 劇中でペロリンガ星人は、人を「星の世界」へといざないう。
「もう随分大勢の地球人を、私は星へ連れていってあげたんだ。ほら、ある日突然蒸発して、いなくなった人達が、君の身の回りにもいるだろう。」と言っているから、特別、優秀な科学者や重要人物を選んで誘拐しているわけでもないのだろう。
 劇中でペロリンガ星人に連れて行かれようとするフクシンくんも、人類としては取り立て特別なところも無い、平凡な青年だ。

 ではなぜ、ペロリンガ星人は人を連れて行くのか。

 奴隷とか実験動物とか食料とか、嫌な想像を思いつくが、劇中では明らかにされない。
 星の世界がどんなところなのかも、わからない。
 むしろ、フクシンくんの「ああ、どこかに行ってしまいたいなあ」という気持ちのほうが、クローズアップされる。
 連れて行って欲しいと思うのは、むしろフクシンくんのほうなのだ。

 ああ、どこかへいってしまいたいなあ。

 フクシンくんはおそらく、星の世界に行きたいわけではないのだ。今の世界にいたくないだけなのだ。
 そしてそれは、別に、フクシンくんに限ったことではないのだ。
 誰もが、ペロリンガ星人に会いたいと思っているのではないだろうか。
 その思いがひときわ、ペロリンガ星人を印象深くしているのではないだろうか。

 余談。

 ペロリンガ星人は最初、男の子の姿をして登場する。
 これが女の子だったら、大島弓子の「たそがれは逢魔の時間」の、邪夢になるのか?。
 邪悪の邪 夢想の夢 あまくとろけるいちごジャム。
 こっちはSFじゃなくて、リアルな幻想ですが。

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