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ラ・マシン 巨大機械は闊歩しない

 所十三さんの恐竜マンガD−ZOICが終わってしまって悲しいとか、新作映画スタートレックを見てギャラクシークエストを思い出したとか、ふたつのスピカ実写化でびっくりとか、ドラえもんにターミネーター出演とか、いろいろあった訳ですが、それはさておき。
 高さ12mの機械仕掛けの「クモ」によるパフォーマンス、 ラ・マシンを見てきました。
 
 まず、この巨大機械は歩くことが出来ません。機械の足は自重を支えるようにはできていません。全重量はタイヤのついた台車に支えられています。台車を移動させ、胴体部分位置を上下させ、足の動きを操ることで、あたかも歩いているように見せるのです。
 機械に搭乗しているオペレーターは、目視できた範囲で6人。おそらく、胸部下にぶら下がって座っている4人が歩脚8本を2本づつ、一番目立つ高い場所、胸部上に座っている人(女性?)が頭(蜘蛛のくせに頭が独立している)と触肢2本を、一番目立たない位置、台車に座っている人が台車の移動を、それぞれ分担しているようです。複数人で動かす文楽人形の案配ですね。最初、頭部の座席から全部動かせるのかと思ったのですが、よく考えると子供がすぐ近くにいる場所で鉄の足を振り回す訳で、足一本を動かすにも目視しながら動かす必要があるんでしょう。他にも腹部や胴体の上下昇降のオペレーションがあるのですが、誰の分担かはよくわかりませんでした。コックピットのようなものは無く、みなむき出しの椅子に座っていて、あたかも機械の一部のように見えたのが印象的でした。よく見ると、台車後部に消火器がくくりつけてあったりします。
 さてこの巨大機械、僕が見た時はいったいなにをするというわけでなく、ただうねうねと足を動かしながら、開港博の会場を移動し回るだけです。でも、それ自体がすごい見せ物でした。口と尻に白煙を噴射する装置があり、ときどき子供たちに白煙をプシューっと吹きかけます。吹きかけられた子供たち大はしゃぎ。獅子舞で頭を噛まれた時の、あの反応です。

 実際には自立も歩行もできないことに最初は「ずるい」と思ったんですが、「パフォーマンスと割り切ったらうまい考えじゃん」と、後で考えを改めました。出来ないと文句を言うより、できることからやる。それが結局は近道なのかもしれません。

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