バザードラムジェット

　バザードさんが考えたラムジェット。

　巨大な、たとえば直径が地球くらいある巨大なラッパを、宇宙に飛ばす。

　宇宙空間は完全な真空ではなく、ほんのすこしだけ、希薄なガス（星間物質）がある。宇宙船の前方にあった星間物質は、ラッパに吸い込まれ、ぎゅうぎゅうに圧縮され、ついには核融合を起こして、宇宙船の推進力となる。

　だまされたみたいだけど、一応、理屈は合っている。

　実際の星間物質が希薄すぎるとか、核融合を起こすほど圧縮するのは困難だとか、そもそもそんな大きな宇宙船が造れるのかとか、いろいろ難点はあるものの、「それでも現実が可能かもしれない」と、思わせてくれる点で、少なくともワープ航法のような架空の原理とは一線を画したエンジン。

　このエンジンの最大の長所は、「燃料を現地調達できる」ということだ。

　ご存知の通り、現実の宇宙船では、重量のほとんどが燃料だ。
　これが、恒星間航行のような長旅になると、燃料を加速するために燃料が必要になり、そのまた燃料を加速するために燃料が必要になる、という、無限地獄におちいる。

　逆に言うと、燃料をその場で調達するバザードラムジェットは、単に補給する星間物質以上の燃料を、節約できることになる。

　どんなに燃料を節約できても、地球サイズの宇宙船じゃ割に合わないよ、という声がきこえてきそうだが、その辺はいろいろ手があるようだ。極薄の素材を使うとか、電磁気力を使うとか。

　閑話休題。

　バザードラムジェットは、ある程度速度がつかないと、まったく働かない。ラッパに十分な星間物質が入ってこないからだ。
　つまり、初速を得るために、別にエンジンが必要になる。

　ラムジェットはもともと、ある種のジェットエンジンのこと。

(2004/07/15追記）

　ネットで検索してみると、「バサードラムジェット」と表記しているところのほうが多いみたい。
　どっちが正しいのかな？