共生－生命の基本戦略－

　２種類の生物が、一方または双方が利益を受けつつ、密接な関係を持って生活することをいう。

　ブリタニカ国際大百科事典からの引用だが、今となっては、少々古臭い表現かもしれない（＊１）。

　共生といえば、クマノミとイソギンチャク。

　クマノミというカラフルで美しい魚（＊２）は、イソギンチャクにまぎれて天敵から身を守る。その代わりに、イソギンチャクはクマノミの食べ残しをもらう（＊３）。

　弱肉強食が基本の自然界にも、例外的に、助け合いがある。一昔前の「共生」のイメージは、どうも、そんなニュアンスで捉えられていたのではないか。

　ところが共生は、生物にとって、非常に基本的、根本的な生き方だった。

　浅瀬に住むサンゴは、体内に藻類を飼っている。生きていくのに必要な栄養のほとんどを、藻類からわけてもらっている。
　深海にすむ、口も消化器官も持たない奇妙な生き物チューブワームは、火山性の硫化物（いわゆるあの、温泉くさいにおいの元）を吸収して生きている変わり者だ。チューブワーム自身が硫化物を消化できるわけではなく、やはり体内に共生しているバクテリアに、栄養にしてもらう。

　共生という手段が無ければ、そもそも連中は生きていけない。

　それだけではない。

　動物も植物も、細胞に核を持つ生物（真核生物）はすべて、共生していることがわかっている。
　細胞一つ一つの中にある、光合成を司る葉緑体や、細胞のエネルギー工場であるミトコンドリア。細胞内器官とも言われているが、自前の遺伝子までもっている、れっきとした別の生物だったのだ。

　太陽エネルギーを取り込む光合成。自分のコピーを作る生殖。他者のエネルギーを奪う捕食。それらと並んで、共生は生き物にとってとてもありふれた、しかも重要な「手段」だったのだ。

　なんか、すごいな、と、思う。

＊１
　３種類以上の生物による共生も知られているし、細胞内共生までふくめると、うまい説明とはいえない。

＊２
　余談だが、クマノミの生態を調べてみると、なかなかおもしろかった。ファインディング・ニモのイメージ、ぶちこわし（笑）。確かに、大きなお父さん、ちょっと小さなお母さん、もっと小さな子供に、見えるんだけどね。

＊３
　イソギンチャク側にはまったくメリットがない片利共生だ、という説もある。

＊おまけ

　どうにも休みがちですね。２日も休んじゃったし。どーもすんません。
　どうにか日記の体裁を保てるように、がんばるぞ。