クローン豆知識

●豆知識　クローンは年下

　オリジナルが３０歳のときに作ったクローンは、オリジナルより３０歳年下になる。クローンはオリジナルより年下なのだ。
　クローンの成長速度は基本的にオリジナルと同じだから、この歳の差はいつまでも埋まらない。クローンが３０歳になったときには、オリジナルは６０歳になっている。

　ＳＦでよくある、クローンで替え玉をつくったり、本人とそっくりのクローンが隣に立っているシーンを実現するには、肉体を急速に成長させる技術を開発するか、まったく未知の方法でクローンを作るしかない。

　限られた条件なら、正攻法で、オリジナルとほとんど同い年のクローンをつくることができる。オリジナルが新生児か胎児のときに、クローンを作るのだ。山田ミネコのマンガ「影－シャドウ－」には、こうして作られた主人公のクローンが登場する。

●豆知識　クローンの記憶

　クローンはオリジナルと同じ記憶を持たない。記憶は遺伝子に残らないからだ。
　よって、オリジナルと同じ記憶を持つクローンというと、やはり記憶を移植する技術を開発するか、まったく未知の方法でクローンを作る必要がある。
　性格や気質などは、遺伝子による先天的な影響と、環境などによる後天的な影響がある。オリジナルと似ているかもしれないし、まったく異なるかもしれない。

●豆知識　ガラスのチューブ

　クローンというと、なんかガラスのチューブがずらっと並んでて、中にこぽこぽ泡立ってる液体と一緒に入ってるイメージがあるが、今のところ、そうやって作られているクローンはたぶん存在しない。
　クローンの誕生のしかたは、普通の生物と変わらない。哺乳類なら、代理母と呼ばれる「お母さん」から、普通の赤ん坊と同じように生まれる。
　ＳＦなどでよくある「ガラスのチューブ」は、おそらくクローンをつくるための設備ではなく、急速成長や記憶移植のためのものではないだろうか。