軍港横須賀

　なんとなく遠出がしたくなった。
　気が付いたら横須賀で降りてた。
　窓の外をみたら、軍艦が見えたから。あれ、戦艦だっけ？　ま、どっちでもよろしい。

　駅を降りると、海軍カレーの看板。あ、そんなもんもあったな、あとで食いましょう。

　駅前すぐのヴェルニー公園から港を見渡せば、軍艦２隻のほかに、おお、おっきな潜水艦が停戦してるじゃあーりませんか。オラ、なんかすごくワクワクしてきたぞ！
　でもなんか、ハリボテみたいな量感なのね潜水艦の実物って。ウソっぽいのです存在感が。すぐに飽きてしまう。次いこ次。

　とりあえず三笠公園にむかって、ぶらぶら歩く。新しいビルがこぎれいに並び、古臭い店舗が裏通りでさびれてる。
　げっ！　いきなり日本離れした建物。厳重な警戒。はあ、なるほど、米軍関連の施設ですか。
　警備の人の前に立てかけられた盾２枚。「許可証無しで入ってきたら持ち物検査するゾ！」等ナドと、英語と日本語で書かれた看板。なんかいろいろ質問したくなってきたけど、怖いのでパス。先へ。

　あ、手作りメロンパンを売ってるワゴンだ。うまそうだけど、カロリーオーバーしそうなのでパス。

　あ、また米軍の施設らしいな。こんどは迷彩服の兵隊さん（含む女性）が警備してる。さっきよりももっとトゲトゲシイ文面の具体的な警告（英語＋日本語）が書かれた、真っ赤な看板。ま、先に行きましょう。

　でもって、三笠公園に到着。陸に上げられた日露戦争時代の戦艦三笠が、公園のシンボルだ。500円で入場できるので、もちろん入ってみる。これが面白かった。やはり実物はいい。
　甲板上に固定された羅針盤。巨大な砲。そこ持ち場とする砲兵たちが、そこで物を食い、寝泊りしたという、側舷の砲室（というのかな？）。ヨーロッパ風トイレつきバス（偉い人用か?）。お洒落な司令官室（やっぱり船尾にあるのね。キャプテンハーロックのアルカディア号みたい(笑))。せまいキッチン。結局何のためにあるのか分からなかった、２０ｃｍ近い分厚い鉄板でかこまれた、円形の部屋。急な階段。
　見学してる制服の婦人自衛官たち(笑）。「あ、部隊は何処ですか?」とか、聞いてみたかったな(笑)。

　あんまりおもしろかったんで、猿島行きの船に乗りそこなう。ま、いいか。

　さて、カレーだカレーだ、といことで、来た道を戻る。黒人さんとか、セーラー服の丸坊主くん（自衛隊?)とかと、ふつうにすれ違う、ここは横須賀。

　そこで、海軍カレーだ。
　「ぜんぜん煮込まない」のは、予備知識通り。こだわり系の、複雑なスパイス、炒め込んだ玉葱などとは、無縁の世界。ある意味ボンカレーに近い。でも、これはこれでアリだよな。
　というわけで、美味しゅうございました。オランダの東郷ビールと一緒に頂く。

　駅前に戻る。あいかわらずあのでっかい潜水艦が、黒い横腹をさらしてる。ブサイクな鯨みたい。やっぱリアリティの無い風景だ。
　戦艦に見送られて、横須賀を後に。疲れたけど、有意義な日曜だったな。　

(4/28追記）
　三笠の「分厚い鉄板でかこまれた円形の部屋」だが、どうやら｢司令塔」というらしい。分厚い金属は、艦隊の指揮官たちを砲弾から守るためのものだった。概ね予想通りとしておこう(笑)。
　三笠に乗った東郷サンはココがお気に召さなかったらしく、吹きさらしの艦橋で指揮をとったという。確かに「東郷さんはここに立っていました」と、金属プレートが床に打ち付けてあったのを思い出す。司令塔に入ったときに感じた、分厚い壁による閉塞感はかなりキツかったので、東郷サンのきもちはわからんでもない。外の様子がわからないだけでない。あんなところにいたら、鬱な戦術しか思いつかんだろう。命に代えられるかは別問題だが。
　余談。僕が訪れたときにはすっからかんだった司令塔なのだが、ぐぐって出てくる写真には、舵だの計器（？）だのいろんなものが入ってたりする。そっちが本来の状態なんだろうな。